ご案内
アルバイトであっても、給与は基本給プラス能率給の仕組みにするのがベストである。
自分の努力と実力次第で稼ぎが変わる。
だからこそ、仕事に張り合いも出てくる。
ただし、仕事の評価が公平であることが絶対条件になる。
上手に生かしていくことが、スタッフの働く意欲を刺激して、長続きさせるためのコツなのです。
ラーメン店に限らず、飲食業というのは本来、地域密着型の商売である。
地域密着が飲食店にとってどうして大切なのか。
いまは住人どうしだってろくにつき合わない時代じゃないか、という人もいるだろう。
答えは簡単である。
「地元では敵は絶対につくらない」ということこそが、固定客づくりの成功原則だからだ。
最も怖いのは地元での評判である。
もしも悪い評判が立ったら、あっという間に商圏内に伝わってしまう。
先に、ろくなつき合いもしないといった住人どうしでも、こういう評判だけは不思議と共有する。
自分は一度も利用したことがなくて、その評判が正しいのかどうかなど知らなくても、悪い評判の立つお店はなんとなく敬遠するようになってしまう。
この「なんとなく」というのが怖いのだ。
まるで伝染病のように、空気感染していく。
評判とはたんに、おいしいとかまずいといったことだけではない。
対応の感じがいいとか悪いとかいった小さなことが、大きな意味を持ってくる。
いったんプラスの方向に向かうと、固定客づくりの後押しをしてくれるようになるのだ。
最近は、チェーン店もそのことに気づいて、地域とのつながりを大切にするようになっているのだが、残念なことに、小規模個店のほうが逆に、地元とのつき合いをないがしろにする傾向が見える。
くれぐれも注意してほしい。
地元とのつき合いは、大きくふたつに分けられる。
いま取り上げたのはもっぱら地元住人だったが、もうひとつ、地元商店街の人たちとのつき合いも大事にしなければならない。
こういうと、関係のない物販店やライバルの飲食店と仲良くして何のトクがあるのか、といきり立つ人がいるが、それではあまりにも浅見である。
たとえば、ふつうどこの商店街にも、商店会という組織がある。
大半は長く地元に定着しているお店の店主だから、新参者は何かと肩身が狭い。
だからといって背を向けて、商店街のなかで浮いた存在になってしまうと、お客も寄り付かなくなってしまうことが多い。
別に商店会でボイコット運動などを仕掛けているわけではない。
人間というのは、何かトラブルめいたことがあり、周りから浮いているお店というのは「何となく」敬遠するものだからだ。
商店会とうまくやれば、その人たちが固定客になってくれるというケースもあるが、そこまでいかなくても、地元に馴染むということは、お店のイメージアップのためには大事なことなのである。
地域に住む人たちとのつき合いでは、まず何か少しでも役に立とうと努力し、アピールすることだ。
ママさんバレーチームの連絡所になるとか、趣味のサークルなどの打ち上げ会を割安で引き受けるなど、存在を認めてもらうための努力が大事になる。
人件費と材料費は、飲食店の費用のうち最も大きな割合を占める経費である。
したがって、これらの費用をどうコントロールするかは、成功のための大事な条件になる。
一般には、ふたつの費用の合計額の対売上高比率が60%前後なら適正ということになっているが、材料原価が比較的低く、サービススタッフの数も少ないラーメン店では、もう少し低めの数字のお店も少なくない。
ただし、56%のお店は62%のお店よりも儲かっているかというと、必ずしもそうはならない。
なぜなら、売上高が違うからである。
同じ1%でも、売上高によってその金額はまったく違ってくる。
ここに飲食店経営のむずかしさと面白さがある。
なぜ、これらふたつの費用を足して考えなければいけないのか。
飲食店の付加価値は商品、サービス、雰囲気の3つの要素のトータルな価値で決まるからである。
材料費は単純な原価だが、人件費は違う。
商品をつくるのも、お客にサービスをし、クレンリネスによって雰囲気を磨き上げるのも、すべて人件費で賄われることになる。
つまり、これらふたつの費用は切り離しては考えられないわけである。
ここで首を傾げる人もいるのではないだろうか。
カウンター席だけのラーメン店の場合なら、サービススタッフなど不要ではないか。
したがって、人件費は極端に押さえられるわけだから、合計の数字はずっと低くなるのではないか、と。
数字上ではそのとおりである。
実際、カウンタースタイルのラーメン店の大きなメリットでもある。
それだから確実に儲かるということではない。
もう一度いっておこう。
飲食店の価値は3つの要素のトータルで決まるのだ。
いちばん大事なのは売上高なのである。
費用の割合だけを操作すれば成功できるのなら、だれも苦労はしない。
売上高とは、お客の支持度である。
より多くのお客に支持されるためには、より多くのお客を満足させなければならない。
お客を満足させることができてはじめて、適正原価ということができるのだ。
その適正原価のボーダーラインとして、60%という一般論があるだけで、その数字なら繁盛できるという意味ではない。
お値打ち感の高いお店とは、原価のかかっているお店である。
だからといって野放図に原価をかけていては、経営は成り立たない。
そんなことはお客も心得ているから、むちゃな要求はしないが、あからさまに原価を押さえているお店は絶対に支持しない。
したがって、サービスの人件費のかからないラーメン店の場合は、かけるべき材料原価をきちんとかけることが大事になる。
と同時に、スタッフすべてがサービス要員でもある、という意識をとくに強く持つ必要がある。
お客は無意識にではあるが、つねに人件費と材料費のバランスを判断しているのである。
バブルの崩壊後、経費の削減はどの業界でも最低の常識になっている。
飲食業界でも、昔のような水商売感覚ではとてもやっていけないと、経費の削減に目を光らせている。
実際、外から見るとけっこう繁盛しているのに、なかなか儲からないというお店がときどきあるが、その原因は明らかに経費のムダづかいである。
人件費や材料費を使い過ぎていた、厨房のガスを1日中つけっ放しにするなどの、水道光熱費のロスやムダも、毎日の積み重ねで馬鹿にならない額になる。
このへんは、ラーメン店も大いに反省すべきところだろう。
ただ、経費の削減の域を通り越して、たんなるケチに走ってしまうケースが多々あるので注意を促しておきたい。
ここでいう経費とは税務上の必要経費のことだ。
売上げを上げるためにどうしても必要な経費という意味である。
だから、税務署もそれらを差し引いた金額を利益と認めているわけである。
とりあえず税務署は置くとして、その経費あっての売上げなのだ。
ムダをなくすことは大切だが、本当に必要な経費まで削ってしまったら、売上げが上がらなくなって当然だということだ。
どうしてかというと、必要な経費を削ることはそのまま、その価格でお客に提供すべき付加価値まで削っていることになるからだ。
たとえば、売上げが落ちてきたからと、材料の品質を落としたり、量を減らしたりするお店がよくあるが、ここまであからさまにやれば、あっという間にお客離れが起きる。
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